韓国で法律を守るということ(感染症予防法)

コロナ

コロナ禍になって、色々な面で世の中は変わっていく中で、これまでになかなか見えなかったところが浮き彫りになってきました。

特に海外在住の方はそれまで意識してなかった、意識してなくてもそれまでは生活できてしまっていたことが急に目の前に迫ってきているのではないのでしょうか。

一つは国による違いです。

特に国政や法律の扱い方の中で、国及び国民性の違いを今まさに実感しているという方が多いのではないかと思います。

法律については、通常、一般的にイメージする範囲の法律であれば、どの国でもおそらく大差がないでしょう。窃盗や詐欺、あるいは殺人など、例え法律の内容を詳しく知らないとしても、道徳的に考えれば「してはならない」と分かることが多いものです。

しかし、今直面しているコロナとそれに対する対策と法律と罰則規程は国により違います。これまで生きて来た母国の感覚で考えてしまうと、大きな失敗をしてしまう可能性が高い状況と言わざるを得ません。

これは筆者も勿論当てはまることです。私自身、それを気を付けなければならない、少し間違えると罰則規程に引っかかってしまい、自分だけでなく、多くの人に影響を与えてしまうのです。

自分自身がまずは気を付けるつもりで、この記事をまとめています。

コロナ/入国後の隔離拒否をした罪の日本人に有罪判決(2020)

最初に突然ショッキングな内容から始まって申し訳ありません。

ご存知の方も多いと思いますが、今一度、内容を確認しましょう。

昨年の夏、韓国で、ある日本人男性がソウルの地方裁判所から懲役6か月執行猶予2年の有罪判決を言い渡されました。理由は新型コロナウイルスの対策、海外からの入国者への義務である2週間隔離を拒んだことにあります。その結果、感染症予防法違反の罪に問われてしまいました。

出典:NHK「韓国 入国後の隔離拒否した罪の日本人に有罪判決 新型コロナ」

韓国 入国後の隔離拒否した罪の日本人に有罪判決 新型コロナ | NHKニュース
【NHK】韓国で、新型コロナウイルスの対策として海外からの入国者に義務づけられている2週間の隔離を拒んだとして、感染症予防法違反の…

出典(출처):연합뉴스「자가격리 어기고 외출했다 구속된 20대 일본인 집행유예」

자가격리 어기고 외출했다 구속된 20대 일본인 집행유예 | 연합뉴스
(서울=연합뉴스) 김주환 기자 = 신종 코로나바이러스 감염증(코로나19) 자가격리 조치를 어기고 여러 차례 주거지를 무단이탈한 혐의로 구속기소된...

この件については、同じ日本人、同じ外国人として非常に受け止め方が難しいという方も多いのではないでしょうか。

人によって様々ですが、

「法律のことをよく確認もしないでこのご時世に海外に来て、、」と思う人もいれば

「言葉が分からなかったから仕方がない、、」と同情する人もいるかもしれず

「自分も人のことは言えない」と自省する人もいるかも、

「法律も言葉も分からなくても、大人しくしているべきだった」と考える方もいるのかもしれません。

それ以外にも、色々な意見・感情が交錯していますよね。少なくとも、日本人に限ったことではないものの、「罰則や法則」というよりも、自分の考えで「してはいけない」と判断してしまっています。

本来、それは素晴らしい判断力・道徳心ですね。

しかし何が危険かと言えば、日本にいるなら問題ありませんが、海外にいるのであれば、自分の判断ではなく、その国の法律を正しく知り守らないといけないのです。

外国で法律を理解するのは確かに困難。専門的な用語も内容も多く、案内もほぼありません。更に韓国、そしてコロナ禍の今、頻繁にその内容が変わりやすいという極めて難しい状況でもありますが、私たちはそれに立ち向かっていかねばなりません。

そうしないと知らず知らずのうちに、何かに引っかかってしまう可能性があります。

それが自分にだけならばまだしも、これから韓国に来る日本人(外国人)へ影響を及ぼしてしまうことも十分に考えられます。

その国の法律を守るというのはまずは自分を守るのは勿論、これまで努力してきた日本人(外国人)の方々、そしてこれから来る方々の為にも、きちんと抑えていくこと。非常に大事なことですよね。

なお、ここで先程ご紹介したニュースについて補足しますが、隔離に関してはVISA取得の際に同意書を提出したり、入国及び隔離中にも再三の案内があるはずです(最低でも韓国語及び英語の案内がされています)。

「知らなかった」や「韓国語がわからないで済まされる問題ではない」ということは申し上げておきます。

感染症予防法

今、私たち韓国在住外国人に特にかかわってくる法律や罰則はコロナ関連のものです。

コロナに関する韓国の法律の名称は「感染症予防法」正しくは「感染の予防及び管理に関する法律」とよばれています。

韓国では昨年2月に

「感染の予防及び管理に関する法律」

「検疫法」

「医療法」

などのいわゆる「コロナ3法」の一部改正案が緊急審議・議決され、3月9日から適用され始めました。

疫学調査を妨害した場合に、最大3年以下の懲役または3000万ウォン以下の罰金に処されるという内容を骨子とし、感染症予防法改正により2年以下の懲役または2000万ウォン以下の罰金2分の1まで加重処罰が出来るとされています。

また、この改正案の施行に自己隔離措置などを違反した場合にも、最高5年以下の懲役、または1500万ウォン以下の罰金を課されるようになり、以前よりも強力な処罰なのです。

この法律の内容全てを網羅するのは到底無理ですが、特に今私たちに関係する、最低限知っておいた方が良い箇所を抜粋してみました。

現在、韓国にいる外国人の方はご存知かもしれませんが、今一度確認してみましょう。「実はよく分かっていなかった」という方は特に一度見てみて下さいね。

第12章罰則

第42条(感染病に関する強制処分)

②保健福祉部長官、市・道知事又は市長・郡守・区庁長は、第1級感染症が発生した場合は、該当公務員をして、感染症疑心者に対して次の各号のいずれかに該当する措置をさせることができる。この場合、該当公務員は感染症の症状の有無を確認す るために必要な調査や診察をすることができる。

1.自宅又は施設に隔離

2.有線・無線通信、情報通信技術を活用した機器等を利用した感染症の症状の有無 の確認

第79条の3(罰則)

次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は1千万 ウォン以下の罰金に処する。

4.第42条第1項・第2項第1号・第3項又は第7項の規定による入院又は隔離措置を拒否 した者

第49条(感染症の予防措置)

①保健福祉部長官、市・道知事又は市長・郡守・区庁長は、感染症を予防するため、次の各号 に該当する全ての措置を講じ、又はそのために必要な一部の措置を講じなければならない。

2.興行、集会、祭礼又はその他多数の人々の集合を制限し、又は禁止すること

上記の条文は日本語でも分かりにくいかと思いますが、このような罰則規定が既に昨年2月には制定されているということをどうぞご理解下さい。在住の方は勿論、これからいらっしゃる方も今一度ご確認下さい。

具体的には私たちがその都度詳しく確認しておくのが良い内容として「マスク着用義務規程」「○人以上の集まり禁止規定」「隔離関連規定」など、特に注意が必要な法律(行政命令)と言えます。

さてここで、具体的に、韓国で罰則としての行政命令がどのように出されているのか、ソウルで例を挙げて確認してみます。

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※行政命令とは?

狭義の法律の中の1つではありますが、名前の通り行政機関が行う命令であり、一般的な「法律」とは少し性格が違います。

つまり、行政命令は法律(本記事でいえば感染症関連法)の範囲内で行政機関が発するものであり、行政機関=もちろん国でもあれば、各自治体(市や区など)でもあります。

ソウル市のみで適用されるものがあったり、他の都市でのみ適用されるものがあったり、さらに小さな単位である区で発せられる行政命令というものもあります。「○人以上の集まり規定」や飲食店の営業時間の規定などが地方によって異なるのもこのためです。

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以下の行政命令の例については、あくまでもソウルの場合で、現時点(2021年11月現在)での内容です。どうぞご注意下さい。

「地方や市によって規定が異なる」為、ご確認の際には、ご自身のお住まいの県・市の内容をご確認頂くようお願いいたします。

(参考)ソウル市(2021年2月26日付告示)

< 禁止対象場所 >

  • ソウル駅広場からソウル広場、清渓広場、光化門広場、孝子洞三叉路につながる広場、道路や周辺 の歩道,
  • 新聞路及び周辺の歩道
  • 鍾路1街及び周辺の歩道
  • 光化門広場から国務総理公館まで の道路や周辺の歩道
  • その他ソウル市のホームページを通じて告知する場所

適用時期:2020年2月26日から(感染病危機警報申告段階解除時まで)

違反時の措置: 違反した集会の主催者及び参加者を対象に300万ウォン以下の罰金(80条7号)

感染症予防管理法の概要(交通機関でのマスク義務化)

感染症予防管理法の概要(交通機関でのマスク義務化)

第49条(感染症の予防措置)

8.公衆衛生に関係のある施設又は場所に対する消毒その他必要な措置を命じ、又は上水道・ 下水道・井戸・ゴミ捨て場・トイレの新設、改造、変更、廃止又は使用を禁止することと

第49条(感染症の予防措置) によるこの行政命令は、各所に掲示がされているので、ご存知の方も多いと思います。

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マスク義務化について行政命令がどのように出されているのか、今回は地方都市(清州市)の場合を例としてご紹介します。

先程のソウルの行政命令と同様、これはあくまでも地方都市(清州市)の場合での内容です。どうぞご注意下さい。

掲示の内容をそのまま以下、記載します。


「市内バス利用時マスク着用義務化」行政命令

マスクを必ず!着用して下さい。

期間:5月22日(金)~コロナ19終了時まで

内容:市内バス利用時マスク着用義務化

⁻運輸従事者:マスク未着用乗客乗車拒否-乗客:乗車から下車まで市内バス搭乗全区間マスク義務的着用

法的根拠:「感染法の予防及び管理に関する法律」第49条(感染法の予防処置)第1項第2号及び第8号、第80条(罰則)第7号

危険時処置

⁻マスク着用せず市内バスを利用する乗客がコロナ19確診者で判定された場合300万ウォン以下の罰金と関連検査・調査・治療等一切の防疫費用微求

「市内バス利用時マスク着用義務化」行政命令

マスクを必ず!着用して下さい。

期間:5月22日(金)~コロナ19終了時まで

内容:市内バス利用時マスク着用義務化

⁻運輸従事者:マスク未着用乗客乗車拒否-乗客:乗車から下車まで市内バス搭乗全区間マスク義務的着用

法的根拠:「感染法の予防及び管理に関する法律」第49条(感染法の予防処置)第1項第2号及び第8号、第80条(罰則)第7号

危険時処置

⁻マスク着用せず市内バスを利用する乗客がコロナ19確診者で判定された場合300万ウォン以下の罰金と関連検査・調査・治療等一切の防疫費用微求


どういうところで確認すべき?

基本的には政府のコロナの特設サイトや、各自治体のホームページで自治体ごとの規制なども知ることはできますが、韓国語がわからない・リサーチが難しいような人には韓国の日本大使館及び日本の韓国大使館の情報をチェックして頂くのも良いかもしれません。

例えば日本大使館であれば、メルマガやツイッターのアカウントなどもあり最低限の情報は知ることが出来ます。

◆コロナの特設サイト(韓国語)→ 코로나바이러스감염증-19(COVID-19)

◆各自治体ホームページ(韓国語)※ご自身のお住まいの各地自体のものをご確認下さい。

在大韓民国日本国大使館

駐日本国大韓民国大使館

まとめ

コロナ禍の前だったら、毎日の生活の中でこれまであまりかかわってこなかった法律と罰則ばかりですね。韓国にいるとはどういうことか、法律を守るとは・・・韓国在住の身としては、色々考えさせられてしまうことばかりです。

まずは自分を守る為に、ひいてはこれまでの人とこれからの人を守る為にも、お互いしっかりと韓国の法律をおさえて守っていきたいですね。

今回は韓国の法律という専門的な内容が生じた為、サヒさんに監修して頂きました。

サヒさんは韓国の大学院修士課程卒業(法学専攻)、現在、法律事務所に勤務されていらっしゃいます。本当にありがとうございました!

サヒさんのTwitter

ライター(enju)

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