韓国で子供を日韓バイリンガルに育てるということ

子育て

韓国にはさまざまな外国人が住んでいることは、誰もが知っていることでしょう。

まずは、次のグラフを見てみて下さい。

韓国に滞在する外国人の数は、韓国の法務省の統計によると、2016年は204万人、2017年は218万人、2018年は236万人、2019年は252万人と増えていましたが、2020年はCovid-19の影響か、203万人となっています。

参考資料はこちら。

<全体に人口に対する在留外国人の数>

韓国の法務省の出入国統計のページより

<結婚移民者の数>

韓国の法務省の出入国統計のページより

「結婚移民者」とは日本にいると聞きなれない言葉ですが、韓国人と結婚して韓国に住むことになった外国人のことを韓国では「結婚移民者」と呼んでいます。 

韓国人と結婚された外国人である「結婚移民者」は、2016年は15.2万人、2017年は15.5万人、2018年は約16万人、2019年は約16.6万人、2020年は16.8万人となっています。 

結婚移民者が韓国に少しでも早く馴染めるようにと、「移民者早期適応プログラム」などが用意されていて、韓国語を学び韓国社会への理解が深められるようになっているのです。

そして結婚移民者が増えることによって、で色々な言語や文化が韓国に入ってくるわけですが、それらは多文化教育という形で韓国の子供たちなどにも、教育プログラムも準備されています。

多文化家族支援センターのサービスとして、「二重言語を使うための家庭内における認識改善教育」も展開がなされていますが、利用の実態は定かではありません。 

 このような環境の中で、自分の子供を日本語と韓国語がわかる日韓バイリンガルに育てようと思ったら、どのような方法があるのでしょうか。 

今回は韓国在住の日本人の親にできるバイリンガル育児について、ざっと見ていきましょう。

【知っておきたい!】韓国で日本語が学べるところ

韓国は日本語を学ぶ人が大変多く、2018年の国際交流基金の報告では約53万人で、世界で第33位となっていますし、韓国の街を歩いていると日本語が学べる塾(韓国では「学院」と呼ばれています)が、いくつもあるのがわかるでしょう。 

このような塾(学院)では、下は小学生当たりから上は定年退職後の方々まで、実にさまざまな年齢の人が日本語を外国語として勉強しているのです。

他にも街を歩いているだけではわかりませんが、次のようなところで日本語が教えられています。 

  • 小・中学校、高校(放課後授業や選択科目として) 
  • 大学(専攻科目、教養科目など) 
  • プライベートレッスン  

こうやってあげてみると本当にたくさんのところで教えられているのもわかりますよね。

しかし、これらはどこの機関をとっても、「外国語」としての日本語が教えられているので、人によっては「物足りない!」と感じる方も少なくないでしょう。 

では、こんなにたくさんの機関があるのなら、日本人の親は自分の子供をこのような機関に行かせて日本語を学ばせることで、「家族の母国語」としての日本語を身に着けられるのでしょうか。 

親の言語を受け継ぐということ

国際結婚であっても子供が韓国で生まれ育っていても、「子供には日本語ができるようになってほしい」と考えるのはどうしてなのでしょう。

誰でも一度は次のように考えたことはありませんか?

「私は韓国語ができないし韓国語で子育てはできないから子供には日本語ができるようになってほしい。」

「日本の親戚とちゃんとコミュニケーションが取れるように日本語ができるようなってほしい。」

「言語がたくさんできるのはいいことだから、日本語も覚えてほしい!」

「子供が小さい時からいくつかの言語を習わせておけば発音がキレイになから日本語もお覚えてほしい。」

「親が日本人なので日本語を親の言語として受け継いでほしい。」

 

そしてこのように考えたとして、子供がまだ小さかったら日本の童謡を聞かせたり、絵本の読み聞かせをしたり、子供に日本語で話しかけたりしていくのではないかと思います。

そうすると、先ほどご紹介した塾、小中学校や高校、大学などの機関で外国語として学ぶのは、ちょっと違う…と感じませんか?

【どんな日本語なら正解?】「国語」を教えたらいい?

次に思いつくことのは「じゃ、日本の教科書や国語ドリルなどを使って教えたらいいのかな?」ということです。

この方法はある程度の年齢まではスムーズ使えることが多く、効果的とも言えます。

また韓国にはソウルと釜山に日本人学校があるので、そこに行かせるという方法もあるのですが、地理的な理由や経済的な理由により、みんながみんな日本人学校に子供を通わせられるわけではありません。

韓国以外の国でには「日本語補習授業校(または日本人補習授業校)」と呼ばれる学校があり、たいてい土曜日に日本語や日本文化を教える授業を数時間しています(以下、「補習校」)。 

これらの補習校は、日本の文部科学省の認可を受けているところと受けていないところがあり、認可校は日本から教員が派遣されていたり補助金がでることもあるのです。 

「外国語としての日本語はちょっと違うし、国語を教えている日本人学校は近くにはない」 「そして韓国には補習校がない…」

このような環境の中で、韓国にいる親は子供に日本語を伝えていくためには一体どうしたらいいのでしょうか。

 

最初にお話したように結婚して韓国に住むようになった外国人は、「結婚移民者」と呼ばれて、その結婚移民者が韓国語を早く覚えて韓国社会に少しでもなじめるようなプログラムも用意されているので、まずはそのプログラムを利用して、探していくことが先決とも言えます。

そして多文化理解教育などもあるのですが、あくまでも対象は結婚移民者の子供たちというよりは韓国の方々です。 

そのため結婚移民者の子供たちが親の言語を受け継ぐというのは、実質的にはそれぞれの家庭に委ねられていると言っても過言ではないのです。

子供に日本語を受け継いでもらう意味

ではここで、海外で育つ子供たちが親の言語を受け継いでいく意味について考えてみましょう。

子供たちは、教科書とノート、筆記用具を準備して外国語を勉強するように日本語を身につけていくのでしょうか。

きっとそうではないですよね。

バイリンガル育児を意識した時期にもよりますが、それが子供が幼いうちであるなら、日本語で、どんどん話しかけて子供と日本語でコミュニケーションが取れるようにしてみますか? 

あるいは、タイミングを見て日本に一時帰国をして日本の家族や親戚とも話し、日本の保育園などにも預けてみる、ということもするのではないでしょうか。とをするのではないかと思います。

その過程で子供が身につけるものは、何でしょうか。それは日本語だけではありません。大きく分けて次の3つになります。

  • 言語(日本語) 
  • 文化 
  • 価値観 

子供は親や日本の親戚とコミュニケーションを取りながら、自然に日本文化にも触れることになります。 

日本文化とは伝統的なもの(祭り、七五三、お正月など)もあれば、日本人の親や親戚を通して接する日本人のしゃべり方や仕草などの言動であることもあるのです。

そして日本人の親や日本の親戚などとのコミュニケーションを通して子供が知るのは、日本人の価値観です。この辺は外国語として日本語を学ぶ時は教科書などで学ぶことは難しく、日本人とコミュニケーションしながら子供が体得していくといっても過言ではないでしょう。

【バイリンガル育児】家庭でできること

韓国で子供を日本語と韓国語がわかるバイリンガルに育てるには、家庭ではどんなことができるでしょうか。それは、次のことです。

  • 同居の家族の協力を得る。 
  • 家庭では極力日本語だけを使うこと。 
  • できれば、グループなどを作って子供に日本語を教えること。 
  • オンラインでできることも探すこと。 

日韓夫婦の中には、韓国人の配偶者の方が日本語がわかる場合とそうでない場合があります。いずれの場合も、バイリンガル育児をするなら同居の家族の協力が必要ですので、子供が小さいうちに方針を話して協力を得ておいた方がいいでしょう。

配偶者の方が日本語がわかるなら、「家庭内では日本語のみ」といったルールを設けて実行してみても良いかもしれません。配偶者の方が日本語がわからないとしたら日本人の親と子供は日本語のみ、としても良い方法ですね。 

まとめ

今回は韓国で暮らす外国人の中でも「結婚移民者」について、ざっと見てみました。

結婚移民者を対象としたプログラムはたくさんあり、バイリンガル育児をサポートするサービスもありますが、実質的にはそれぞれの家庭に委ねられています。 

韓国に住む日本人の親が子供に日本語や日本文化を受け継いでもらうには、外国語としての日本語も国語も、しっくり来ないことも少なくありません。

幼い頃から家庭で子供と日本語でコミュニケーションを取り、日本の親戚や友達などとの接触を通して子供たちは、「言語」や「文化」だけでなく「価値観」も肌で感じて学んでいきます。

繰り返しになりますが、そのために家庭でできることは次のことです。

  • 同居の家族の協力を得る。 
  • 家庭では極力日本語だけを使うこと。 
  • できれば、グループなどを作って子供に日本語を教えること。 
  • オンラインでできることも探すこと 

もし「うちは、もう遅いかも…?」と思ったとしても、何もしないより一歩踏み出すことに意味があるので、ぜひ実践してみてください。

ライター(バイリンガル育児★まめリンガル)

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